今回は分析手法の中でもテクニカル分析、つまりチャートの見方について解説します。
チャートは見方を覚えると、相場を分析する強力な武器になります。現在の値動きや位置だけでなく、過去からのパタ-ンや将来へ向けてのトレンドまで知ることができるようになります。
いろいろな期間のチャートを見ることで相場の流れを掴み取ることができます。

 

期間が違うチャートを見比べる

為替相場の動きを知るためにチャート見ることが不可欠ですが、日足、週足、月足と見比べてみましょう。
それぞれのチャートの見方を説明します。

ドル円 日足チャート

 

 

 

 

 

 

 

日足チャートでみれば、ドル円相場の今年に入ってからの動きが一目瞭然です。年初から3月まではずっと円高になり、1ドル105円をつけたところで底入れしています。あとは円安に流れが変わり110円まで戻しています。
為替相場にはいろんな思惑や予想があってなかなか動きが捉えにくいですが、このようにチャートで見るとひと目でわかります。
3月後半から円安の流れに変わったのは、世界の株式市場が上昇して環境が良くなってきたためです。
ちなみに3月は中国に対するアメリカの関税の制裁が発表されて、大波乱の相場でした。

ドル円 週足チャート

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年初からの週足ですが、チャートを見ればトレンドによって三つの時期があるのがわかると思います。
まずは2016年初めからの円高の流れ。この年は6月にイギリスで総選挙があり、EU離脱を決めるなど大変な状況でした。
10月にはトランプ大統領が誕生していわゆる「トランプ相場」が起きます。この時は大幅な円安で株も大きく上昇しました。
しかし2017年に入るとトランプ大統領が「貿易不均衡是正」を宣言して円高方向に圧力が加わります。現在はその流れが続き、円高にふれています。

ドル円月足チャート

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に月足を見てみましょう。2010年頃からの大きな流れがわかります。

2011年に東北大震災が起きて1ドル80円を切る超円高になります。この状況は約二年間続きますが、2012年末に政権交代が起きて、いわゆる「アベノミクス」が始まります。ここから大幅な円安の流れになり、2015年には120円台の円安になりました。
この間、日経平均も1万円から2万円へと上昇しています。その後は週足で見たような流れになり現在に至っています。

このように日足、週足、月足を見てきましたが、相場の今までの流れがよくわかったと思います。
チャートの値動きとその時の背景を知ることで相場のトレンドや特徴を知ることができます。本格的な予想をするためにも、それぞれのチャートを見比べるようにしましょう。