ドル円などの相場を分析するのに、本格的な分析手法を勉強することは必要です。高度で複雑なことがやれなくても、少なくとも基本は身につけていなければなりません。今回は大きく分けてふたつの分析手法、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の違いについてお話します。

 

ファンダメンタルズは経済背景を重視する

ファンダメンタルズ分析は経済指標や政治情勢などを分析して、相場の動きを予想していく方法です。
たとえば現在、トランプ政権は貿易不均衡是正を打ち出しています。アメリカの対中、対日赤字が大きいからですが、その一環として、元高(対人民元)や円高(対日本円)の政策がとられています。このような政治的圧力を背景に、どれだけ元高や円高が進むのかを予想するのがファンダメンタルズ分析です。

ただ、実際はアメリカの政治圧力だけではなく、経済の状態や利上げ政策などが関係しているので、どこまでも一方的に円高になるというわけではありません。

 

金利が上昇すると為替相場も上がる

アメリカは現在、景気の加熱を防ぐために金利を上げていますが、このような動きはドル高の方向性を生みます。金利が上がるということは、その国の高い金利を求めて外国から資金が入ってくるということであり、通貨高につながります。
実際に、トランプ政権が貿易是正を唱えるまでは、アメリカの利上げを受けてドル円相場は円安傾向でした。しかし、2017年以降は円高になっています。

ファンダメンタルズ分析で一番重要なのは、相反する要素があった時に、どちらがどれくらい強いのか、比較してその判断をすることです。

 

テクニカル分析で視覚的に判断する

一方のテクニカル分析を一言で言えば、チャート分析のことです。
難しいような経済情勢や理論も、チャートで見ることでわかりやすく捉えることができます。実際にドル円相場を見てみましょう。

ドル円チャート週足

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に2016年末にトランプ政権が誕生した時には株もあがり、大きく円安になりました。いわゆる「トランプ相場」と言われています。
しかし、2017年になってトランプ大統領が、アメリカの貿易赤字を解消すると宣言したことで、大きく円高が進みました。この流れは現在まで続いています。途中で大きく円高になったり円安に戻ったりしていますが、前述したように、アメリカの利上げなどほかの要素もあるからです。

ひとついえるのは、複雑な為替の動きも、このようにチャートにして見たほうがわかりやすいということです。ファンダメンタルズ分析に具体的なイメージを与えるのがテクニカル分析の特徴です。これからもう少し詳しく両者の違いを学んでいきましょう。