ファンダメンタルズ分析は、現在の政治経済の情勢から将来の相場の動きを予想することです。専門家は複雑な分析をしますが、複雑な予想がかならず的中するとも限りません。むしろシンプルな予想の方が当たるケースもあります。
ということで、今回は自分でもできる簡単な為替相場の分析方法をお話します。

 

ドル円相場と貿易問題

わたしたちの生活にも影響があるドル円相場ですが、アメリカとの貿易問題が大きく関係しています。
現在、アメリカには大きな対日貿易赤字があります。かつてバブル期には一ドル200円台から120円付近まで一気に二倍近い円高になった時期がありました。今回の円高はそれほどまで極端ではないですが、1ドル120円から1ドル100円を目指すような動きになっています。

もし、アメリカが対日制裁など、さらに圧力を加えてくると思えば円高になると判断して「円買い」で勝負します。しかし逆に、話し合いがついて圧力が弱まると思えば「円安⇒円売り」ということになります。

わかりやすい仮定をして勝負するやり方もあります。
トランプ政権が行き過ぎた行動をしたために、今年(2018年)の中間選挙でトランプ氏が負けてしまうと予想したとします。後任の大統領がそれまでの貿易政策を穏健な方向に改める状況になれば、今の円高トレンドは終わりを告げて、円安が復活することになります。
トランプ大統領が秋の中間選挙で負けるという予想をするなら、タイミングを見計らって円売りで勝負するのも面白いでしょう。

逆にトランプ大統領が再選されると予想して、再選後はさらに対日圧力が強くなると考えるのなら、円高になるので「円買い」ということになります。

この発想はほかの通貨の場合にも通用します。例えば貿易摩擦に関して言えば中国対アメリカが全く同じ状況なので、ドル・人民元は全く同じ発想でトレードできます。

 

いろいろな発想で勝負できるファンダメンタルズ投資

例えば貿易問題以外でも利上げのテーマなどがあります。アメリカは段階的に金利を引き上げていますが、この流れが加速すると思えばドル高、逆にしばらく利上げが見送られると思えばドル安円高予想です。

他にも、日本の株が上がり景気が良くなれば円安になる傾向があります。逆に株安や金融危機、半島有事が起きれば円高になります。

その時々の為替を動かしそうなファクターに注目して、自分なりの予想を立てて勝負するのも面白いでしょう。
予想が上達すると、お金と経済の知識が増えて、まさに一石二鳥です。