為替の動きを判断するためには、経済統計の見方も知っておかなければなりません。金利やGDPの伸びなどから為替の動きを予想する方法もあります。
しかし、今回はもっと直接的に、発表される経済統計を予想して、直前にエントリーすることで利益をあげる手法を解説します。

 

アメリカの雇用統計の発表で勝負する

経済政策や統計の発表はいろいろありますが、今回はその中でも一番重要な、アメリカの雇用統計の発表を取り上げます。

アメリカの雇用統計は月に一回、主に第一週目の金曜日に発表されます。
発表時間は夏時間は午後9:30、冬時間は午後10:30です(いずれも日本時間)
雇用統計の数字はとても重要で、失業率とどれだけ雇用者数が増えているかが発表されます。

米雇用統計の発表内容
失業率
非農業部門雇用者数

この数字がいいか悪いかで為替が動きます。
失業率が低く、雇用者数が増えていると経済の状態は好調だとみなされて円安になります。
反対に、失業率が高く、雇用者数が減っていると円高になります。

2018年2/2に発表された1月の雇用統計の数字を見てみましょう。

失業率         予想値4.1%    結果4.1%
非農業部門雇用者数   予想値18万人   予想値20万人

結果は市場予想より多い20万人の増加になりました。

発表後のドル円の動きです。
109円80銭が110円30銭。50銭の円安ですが、わずか数分で動いているのがわかると思います。(ちなみにチャートは1分足です)

このように重要な経済統計の発表前後には大きな動きをするので、短期トレーダーはチャンスとばかりに集中してトレードに励みます。

重要なのは事前の市場予想があって、皆の予想より発表が良ければ円安、悪ければ円高になることです。
トレードの方法自体は極めてシンプルで、市場予想より数字がいいと思えば、発表の少し前に円安でポジションを作っておきます。
に発表の数字が予想より悪いと思えば、円高でポジションを持っておきます。
あとは結果発表待ちです。当たれば利益確定して、外れれば損切りということになります。

経済指標で為替相場を長期的に予想するのは、経済学者などあらゆる専門家がやっていますが、不確実なところもあり難しいです。
しかし経済発表の場合ははっきりと結果が出る分、トレードの手法としてはシンプルでわかりやすいと言えるでしょう。
とにかく数字を予想して直前に「円安」か「円高」にかけるだけですから、慣れてくると簡単にできます。他にも勝負できる発表がいろいろあるので、紹介していきたいと思います。